Jean-Claude Chapuis(ジャン=クロード・シャプイ)のガラス楽器への情熱が、完全独自のアンサンブルである「Glass Orchestra」を生み出しました。神秘的で不思議、そして無二のサウンドと異世界の響きを極めた見事な手作りのガラス楽器コレクションです。その彼が生涯をかけた仕事について、語っていただきました。パリ・フィルハーモニーの敷地内、息をのむような美しい場所で、この独占インタビューが行われました。
ジャン=クロード・シャプイは、一般的に考えられるのとは対照的に、正式な音楽教育を受けていません。完全に独学者であり、重要な出会いが彼の音楽的な発展を形作りました。その一例が、進化論史のジャック・ロジェ(Jacques Roger)教授との出会いが、ガラス楽器に関する研究に深く没頭するきっかけとなりました。そして手作り楽器はグラスアルモニカから始まりました。
幼い頃からジャン=クロード・シャプイは音の質や音色に情熱を抱き、自分自身のサウンドマシーンを作るというアイディアに取り憑かれていました。音楽愛好者として、ロシアのミュージシャンから主なインスピレーションを得つつ、ラヴェル(Ravel)やオーケストラ音楽前半などからも広く影響を受けていました。
これらの子供時代のアイデアや夢が実現するまで、たくさんの年月と専門的な経験を重ねました。30代の頃、文化ディレクターとしてコンサートやフェスティバルを企画する責任者であった彼は、それまでの仕事に一段落をおき、独自のグラスオーケストラの構築を開始することを決断しました。
物理学、化学、音響学に再び没頭し、すべてがゼロから始まりました。彼は本当にゼロから始める必要があり、それが彼の情熱の芽生えとなりました。最初に制作を開始した楽器はグラスアルモニカで、その後、グラスオーケストラ全体を構築し続けることを決め、その結果、20年以上の時間をかけた大仕事となりました。
年月を重ね、ガラス楽器との実験や演奏を通じて、ジャン=クロード・シャプイはガラス楽器にはさまざまな制約と困難があることを理解しました。まず第一に、ガラス楽器の調律はとても大変難しいことです。実際、その調律に液体が使用され、暑いと液体が蒸発して楽器が音程を外れるという問題がありました。
第二の困難は、演奏者が指を湿らせ、グラスの縁を擦る必要があることで、スペースを取ります。また、和音は4つの音符しか演奏できないため、和音の演奏がかなり制限されていました。ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)は、グラス音楽をより調和的にすることを目指した研究を経て、最大で10音を同時に演奏できるベルシステムを生み出しました。これは革命的なもので、ガラスだけで演奏する以上のものを提供しています。
Glass Orchestraをソフトウェア音源(バーチャルインストゥルメント)として提供することは、UVIチームによるジャン=クロード・シャプイの仕事の論理的な延長です。
これらのガラス楽器は、単なるコレクションアイテム以上のもので、音楽を聴く新しい方法であり、(発した音の指向性が薄く)その音楽がどこから来てどこへ行くのかはまだ未知です。これらの楽器は非常に新しい音の空間を構成し、とても広大で豊かで、そして音の出現と消失が非常に繊細に行われます。
これらのガラス楽器を広く世界に伝えることは、ジャン=クロード・シャプイの生涯を支えてきた使命の結実でした。今度は新しいクリエイターたちが他の楽器を開発し、それらの楽器のために作曲する番です!