UVI FOCUS

深堀

UVI FOCUS - Quadra Modularの背後にあるレジェンドを探る

モジュラーシンセは、電子音楽革新の礎として立ち、信号処理と合成アーキテクチャのモジュラーアプローチによって音の創造に革新をもたらしました。最近リリースされたQuadra Modularは、このモジュラーシンセの豊かな遺産を受け継ぎ、30の象徴的なモジュラーシステムの本物の生サウンドを提供します。これらのマシーン収録のために、フランス南部のフランス最大のシンセサイザーミュージアムから、米ロサンゼルスのRosen Soundまで、UVIチームは移動をしました。この新しいUVI Focus記事では、Quadra Modularに含まれる6つの希少なモジュラーシステムの背後にある物語を紹介します。

Colossus

Tom Carpenterが設計し、Colossusと名付けられたこの巨像は、"実際に目にしたものが得られること"を真に表します。今回のプロジェクトで、私たちは世界唯一のシンセの1つであるColossus Doubleに触れることができました。クラシックバージョンのColossusには、12のウェーブバリアブルオシレーター、8つのフィルター、2つのスプリングリバーブ、1つのオシロスコープ、ツインピンマトリクス、および4つのエンベロープジェネレーターがあります。このダブルバージョンでは、これらの仕様が2倍になり、さらなる素晴らしいサウンドデザインの可能性をもたらします。想像できるように、その音（およびスタジオの設置面積）は本当に巨大です。

設置のための物理的要件を説明する際、メーカーであるAnalog Solutionsは、人間2人がそれを持ち上げ、"正しい設置と補助"のためにもう1人必要であることを推奨しています。Analogue Solutionsのユーザーベースでは、Pete TownshendとHans Zimmerがこれを重用している事がよく知られています。

E-MU Modular

E-muはデジタルシンセシスとサンプリングの形成に大きく貢献していることで知られていますが、彼らは70年代初頭にモジュラーシンセを製造していました。それは確かに今日では非常に珍しい発見です。E-mu Modularは、ARPとMoogと競合するために作られましたが、大学市場や一部の選ばれたハイエンドユーザー向けにも提供されました。正面には伝統的なパッチベイがありましたが、固定配線のパッチシステムを使うことで、リアパネルでもフロントパネルのパッチを作成することができました。したがって、フロントパネルを使用すると上書きされる固定されたパッチルーティングを作成することができました。ユーザーがアクセス可能な固定パッチは、間違いなく画期的であり、より迅速なプログラミングとサウンドデザインを可能にしました。Hans Zimmer、Frank Zappa、そしてRoger Linnは、すべてE-mu Modularのバリエーションを利用しました。E-mu ModularのフィルターはMoogとARPよりもクリーンで、オシレーターはほとんど揺れないとして知られています。現在、このシンセサイザーが世界中に100台未満存在すると推定されています。

Oberheim 8 Voice SEM

Oberheim SEM（Synthesizer Expander Module）は、モジュラーシンセサイズ精神の証です。単体ではささいな装置のように見えます（これはOberheimの最初のアナログシンセサイザーでした）。元々の設計意図は、SEMを音を厚くするための2番目のアナログシンセとして使用するか、必要に応じてシーケンサーに接続される高度に携帯性のあるバックアップとして使用することでした。しかし、すぐに、世界中のミュージシャンが多くのモジュールを積み重ねて接続し、Jan Hammer、Herbie Hancock、John Carpenterらが、この愛すべき8ボイスSEMセットアップを我々に教えてくれました。8ボイスSEMは、Oberheim最初のシンセシステムの頂点であり、70年代半ばには、これほど多くのボイスを持つシンセシステムを見つけるのは*非常に*珍しいことでした。16個のVCO、16個のADRエンベロープジェネレーター、8個のフィルターを備えた8ボイスポリフォニーをこの時期に実現するのは簡単なことではありませんでした！

各SEMを個別にプログラムすることは課題でしたが、8ボイスセットアップにはポリフォニックシンセサイザープログラマーが含まれており、各ボイスあたり16のパッチを保存できました。そしてUVIによる再現バージョンでは、独自構成を保存することがはるかに簡単になりました！

The Arp 2500

Arp 2500は、まるでSF映画に登場するようなマシーンで、多くの人々がそれで宇宙船を着陸するのと同じくらいかっこいいサウンドをデザインすることができると考えています！この高機能シンセサイザーには、VCO、エンベロープジェネレーター、フィルター、サンプル＆ホールド、モジュレーター、シーケンサーなどを15のモジュールが提供されます。 2500を購入する際には、すべてのラックスペースに独自のカスタマイズされたセットアップを事前に詰め込むことができ、楽器ごとにさまざまなバリエーションが可能でした。 ARPはパッチケーブルを排除し、当時にとってはかなり大胆な挑戦で、信号ルーティング処理のために10×10のスイッチングシステムを利用しました。さまざまなモジュールの上と下にスイッチがあり、パッチベイ機能を扱う際にケーブル結線の必要がありません。 2500のプログラミング作業は愛しかありません - シンセサイザーのあちらこちらに電子エンジニアリング図が配置されているため、馴染みのない方にとって敷居が高く、触れる際の躊躇いを増長します！この2500で素晴らしいサウンドスケープは、Jean-Michel Jarre、Jerry GoldsmithおよびVangelisによって作り出され、彼らの作品で堪能できます。

PPG Modular

1977年のPPG 300 Modularは、当時購入できる最も高価な楽器の1つでした。 Wolfgang Palmは、これが発売される約1年前に自身のMoogコレクションの代替として300を設計し始めました。これらのシステムは非常に珍しく、数年前にイギリスで1台が7万5千ドル以上で売られました！Tangerine Dreamのサウンドは、このPalmの設計によって可能になり、この珍しい300シリーズの発見は間違いなく奇跡です。300シリーズは、デュオフォニックデジタルキーボードと連携するアナログビーストでした。このシステムは、ミュージシャンの要望に応じてカスタマイズされ、VCO（4波形切替）、VCF、デュアルADSRモジュール、アナログステップスイッチ、マルチプライヤー、シーケンサー、サンプル＆ホールドなどが含まれていました。

Wolfgang Palmは後にデジタルシンセサイザーを革新しますが、彼の初期作品であるこのアナログ設計もまた本当に画期的で、今日では非常に珍しいものです！

RSF Modular Model 11

RSF Modular Model 11は、最も珍しいシンセの1つで、シンセの歴史上でも素晴らしい作品です。このシンセシステムは約280台のみ生産され、現在稼働できるものを見つけることはとても稀です。ほとんどのモデルには、3つのVCOが連携して動作します（このシンセはモノフォニックです）。典型的なLFO、VCF、VCAセクションは、一般的なサウンド編集機能を備えます。キーボードは、当時の一般手法fラッタ、CV/Gate接続が採用されています。このシステムで興味深いのは、内蔵エフェクトシステムで、分厚くフルなサウンドをデザインするのに最適なフェイザーが含まれていたことです。オンボードのオーディオ入力を使用することで、外部のサウンドをフィルターやモジュールを介して実行できました。このモデルは、多くのシンセ愛好家によって「見つけるのが難しすぎる」と分類されており、現代の制作環境でそのサウンドにアクセスできることにワクワクが止みません。

30のモジュラーシステムを発見