Soul Bassのリリースにあたり、そのリズムパートナーに最適なSoul Drumsの制作背景を紹介します。今年春にリリースしたSoul Drumsは、ビンテージをルーツにしながら、創造性と汎用性を備え、どこまでも深くエディット可能なモダンドラム音源です。このUVI Focusの記事では、そのコンセプトから15万以上のサンプルで構成された新しいバーチャルドラマーの誕生までの開発と、ユーザーのインスピレーションを最前線に置く斬新なデザインを紹介します。
Soul Drumsの最初のきっかけは、2014年に遡ります。我々が目指すドラムインストゥルメントは、より自然かつ質感がほぼほぼビンテージのものが良いと思いました。そのようなドラム音源を実現するためには、バーチャルドラム市場のトレンドと逆行する必要があることに気づき、プロジェクトを開始しました。そして、プロデューサーとサウンドのデザイナーの両方の視点に基づき、サウンド、音色、響きを深くコントロールできることも盛り込んだ方が良いと考えました。
この特徴的な情感を現実にするため、我々はまず、ビンテージマイクと歴史的に重要なスタジオの選定から始める必要があると理解していました。2015年12月、業界のベテランとの多くの研究と会話によって、我々はJames Brown、Michael Jackson、Bob Marley、Aretha Franklinなど、多数の傑出した偉人達が収録に使用したマイアミのCriteria Recording StudiosのスタジオCで、AKG C24を使用することが、最も適切であると悟りました。
これらの議論から生まれたもう1つのターニングポイントは、ユーザーが収録かかるブリード(いわゆるマイクの被り)を完全にカスタマイズできるようにする新しいツールを開発する必要であり、それがマイクブリード・マトリックスです。これは、サンプリングプロセスがどのように展開されるかを完全に決定する重要なイベントでした。
ビンテージの質感と雰囲気を伝えることは、この製品設計の最優先事項であり、製品が音楽業界からインスピレーションを得て、可能な限りシャープでクリーンなドラムサウンドを提供するのも重要課題でした。我々は流行とは反対方向を推し進めるだけでなく、それと同時にユーザーエクスペリエンスを向上させたいと考えていました。
サンプリング作業自体は2015年12月に始まり、その間、マイクを標準のミッド/サイド(MS)に固定し、2つのマイクが互いに向かい合った、通常は一方のすぐ上を90度の角度で設置をしました。これは、エンドユーザーが位相の問題なしにステレオ音像をコントロールするのに役立ちます。
ハードウェア側では、AKG C24(1959年製)、Sennheiser 421(1960年製)、Sure SM57(1965年製)、Neumann KM 84(1966年製)、ElectroVoice RE20(1968年製)、Neumann KM 86(1968年製)、Neumann U47(1969年製)、Neumann U47 FET(1969年製)、Sony ECM-50(1969年製)、AKG C414(1971年製)など、固有の優れた音質とその歴史的使用されたマイクロフォンから厳選したものを使用しました。これらはすべて、Hit FactoryのオリジナルのNeve 8078コンソールを通して収録をしました。
収録作業から15万以上のサンプルが提供されると、面倒で根気のいる作業の始まります。同大なサンプルをそれぞれ並べ替え、編集、クリーニングしていきました。さらに、レイヤー化目的で450以上のデジタルドラムサウンドのコレクションを作成し、古典的なドラム音源にモダンなひねりを加えました。これもまた、我々UVIらしい常識にとらわれない実用に則した考えと姿勢から生まれたものです。
もちろん、製品の扱いやすさもをおろそかにはできません。これを達成するために、4人のプロドラマー(Jean-Philippe Fanfant、Romain Sarron、Paul Morvan、Delphine Langhoff)をパリのUVIオフィスに招待し、数時間かけて、セッションを収録しました。そして編集をして数百のMIDIループとして、ユーザーはクリックをするだけで自然なグルーブにアクセスできるようにしました!
こうして誕生したSoul Drumsを我々は非常に誇りに思っており、それがユーザーのあなたによって、創造の可能性を切り拓くことを心待ちして止みません。